しまね酒肴散歩1 日本酒のふるさと

-平成20年6月3日(火)山陰中央新報転載記事-
しまね酒肴散歩1 日本酒のふるさと

 静かに日本酒をたしなむ時、かすかな「声」が聞こえてくることがある。

酒米を造る人の心、水を大切にする方々の心、昼夜を問わず酒を見守っている蔵人たちの願い、品質を大切に販売する気持ち・・・。

多くの真剣な思いが伝わってくる。

一時は焼酎に押され気味だった日本酒だが、まるでワインでも楽しむように味わう新しい世代が台頭し、つられて従来のファンが戻ってきた。

ここにきて日本酒ブームの波が来る気配が漂っている。

最近の日本酒はとてもおいしくなった。

10年前とはクオリティーが断然上がっており、蔵人たちも命がけで醸している。

島根は「日本酒のふるさと」と呼ばれる。

尊称の理由は、お酒の神様として信仰される出雲市平田町の松尾神社(佐香神社)、明治期から優れた酒造りの技を継承する出雲杜氏(とうじ)の存在がむろん大きい。

だが、現代日本が失ってしまった自然と人のハーモニーがここにあり、じっくりと醸す愛情が残っているからではないだろうか。

今、全国から島根がさまざまな形で注目されている。

だからこそ、訪れる人々をもてなし、仲間たちの会話を弾ませる「島根の地酒」、島根の財産である日本酒文化を地元から見直してみたい。

頑張る県内35の酒蔵を巡り、私が銘酒の持ち味を、フードコーディネーターの田中敦子さん(松江市)がお薦めの肴(さかな)を毎週紹介する。お楽しみに。

酒匠・日本酒学講師、三谷尊文=松江市東本町

-平成20年6月3日(火)山陰中央新報転載記事-

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