しまね酒肴散歩3 「八塩折仕込」

-平成20年6月17日(火)山陰中央新報転載記事- 
国暉酒造有限会社
しまね酒肴散歩3 「八塩折仕込」

 宍道湖畔にある酒蔵は、水都に溶け込む絵になる蔵である。

試飲ギャラリーの壁には、日本の美を撮り続けた土門拳の遠景写真がさりげなく飾ってある。

岩橋弘樹社長は杜氏(とうじ)を兼ね、現場でも中心人物。

酒質への情熱はたっぷり、しかし話は控えめで、優しい人柄がにじむ。

「日本酒本来のうまみを十分に生かした酒造りを心掛けている」という。

「八塩折仕込」は特別な酒だ。

造った酒で翌年の酒を仕込み、その酒で翌々年の酒を仕込む。

八は「たくさん」、塩折は「熟成させて搾る」という意味があるらしい。

年を重ねていくうちに深みを増し、まさに歴史を刻み込んだ酒となる。

甘い酒だが、この甘みは米の甘さだけ。

比類のない濃熟感を、ぜひ体験してほしい。

特別な日に飲んでみるのがいい。




酒匠・日本酒学講師、三谷尊文=松江市東本町

-平成20年6月17日(火)山陰中央新報転載記事-

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