雪見酒

2010.1.7

あの紫式部も行っていたという風流な雪見酒。

降り積もった雪をコップに詰めてお酒を注いだ

「雪割り酒」という飲み方もある。

  

雪見酒

「そうだ、雪割り酒にしよう」

と1人が言う。

露天の横の庭から真っ白い雪を取ってきて、グラスに満々と入れ、

その上からお酒を注ぎ込んだ。

ひと口ふた口つけた彼女が、満面の笑みを浮かべたものだから、

「私も」と皆が続くのは自然のなりゆきだ。

 雪割り酒――。

それは、お酒と雪がさらりさらりと溶け合い、風流なばかりか

まことにまろやかな味わいだった。

私たちは掟を破ってつい2杯3杯とやってしまったが、誰一人悪酔いしない。

それは、図らずもこのお酒の「原点回帰」の飲み方だったからだと後で知った。

雪解けにより、地中にしみ込んだ水によって仕込まれた地酒だったのである。

    

(春夏秋冬東西南北 日本酒はうまい! 旅行ライター井上理津子のほろ酔いコラムより)